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キャンピングカー冬篭り準備ーその1:不凍液を配水管系に入れる

今年のペンシルベニア州は記録的な暖冬ですが、さすがに最低気温は氷点下になってきました。例年なら1月、2月には氷点下20℃まで気温が下がります。今年はそこまで気温が下がるか分かりませんが、真冬の厳しい寒さに備えてキャンピングカーの冬篭り準備をしました。

寒冷地にお住まいの皆さんは冬篭り準備はどのようにされていますか?

キャンピングカーの冬篭り準備には大きく分けて3つあります
  1. キャンピングカー内の水周りの配管を水の凍結による膨張から配管破裂を防ぐ処置を取る
  2. バッテリーを外す
  3. キャンピングカーにカバーをかけて雪や氷、雨から守る

今日は①の水周りの配管凍結対策をしました。こちらで言うWinterizationです

Winterizationには2つの方法があります


  1. 圧縮空気を配管に入れて配管内に残っている水を全て排出する方法
  2. 不凍液を配管内に入れて配管の破裂を防止する方法


どちらの方法も有効ですが

①の方法にはエアーコンプレッサーが必要です

②の方法はエアーコンプレッサーが無くてもOK。但し①に比べて使用する不凍液の量が多くなります


私は今回②の方法を選びました。エアーコンプレッサーを持っていないので新たに購入するより安価に出来る方法だからです。

ただ、長い目で見れば①の方法の方が経済的で短時間で済むかもしれません

水周りの配管凍結防止の基本は凍結する水を可能な限り排水することです。

まず最初にやるべきことは、排水タンク(トイレや台所・シャワー系の排水)を空にすることです。排水は専用の排水設備があるところで行います

次に温水タンク及びキャンピングカー内に装備された上水タンク内の水を排水します

温水タンクの排水はタンクの排水キャップを開ければ簡単にできます

キャンピングカーの上水タンクの排水はタンクの底にあるドレインバルブを開ければ出来ます

そして配水管内の水を予め排水する為にLow Pointというドレインバルブを開けます

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Low Pointドレインバルブはこんな感じで床下から突き出しています(青は冷水、赤は温水系です)
Low Pointから配管内の水を排水します
ここまでやれば配管内の排水は全て終わったように思えるかもしれませんが、上記の手順だけでは排水できない水が配管系には多く残っているのです。この残留水が凍結し膨張すると配管に亀裂や破損といった被害をもたらすので、Winterizationは寒冷地では必須です。

私はWintertizationの前にやるべきことが一つありましたので、、まずそれを完成させてからWinterizationに進みました。
やるべき事とは・・・
トレーラに搭載された送水ポンプにバイパス回路をインストールすることです。バイパス回路が無くても上水タンクに不凍液を流し込んでもWinterizationは出来ますが、必要以上に不凍液を使いますし上水タンクに不凍液を入れたくないという気持ちからバイパス回路をインストールしました。
まず、送水ポンプのある場所を探します。これは車外にある給水口の位置を見ればどの辺にポンプがあるか見当がつきます。
私のトレーラはストレージ棚の下にありました
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上の写真の中央下に見える銀色のものがポンプです
周辺には各配管が密集しています

バイパス回路はポンプの吸引側に取り付けます
バイパス回路はCamcoのWinterizationキットを使いました。$16と安価です
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中身はT字コネクタと中継コネクタとビニールチューブです
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T字コネクタのネジ部にキットに入っていたテフロンテープを巻いて仮組みします
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上の写真はオリジナルの状態でポンプと白いホースがフィルターを介して接続されています
まずはフィルターをポンプから外します。これは手でねじれば簡単に外れました

次にT字コネクタを入れようとしたら、周辺の配管類と干渉してしまい仕方なくポンプの搭載位置を少し変更しました
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ネジを外してポンプを外します(これが結構手間かかりました)
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ポンプの位置をずらして何とかT字コネクタをポンプとフィルターの間に入れることが出来ました
T字コネクタのねじ溝が見える部分にキットに入っていた透明のチューブを取り付けます
これでバイパス回路のインストールは完了しました

さて、いよいよWinterizationに進みます
以下は不凍液を配管系に循環させ、配管を破裂から守る手順です

手順1:温水タンクの配管をバイパスさせる
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温水タンクの位置はクルマごとに異なります。私のトレーラはマスターベッドの下にあります。ベッドのマットレスを取り去り、天板を開けると左に温水タンクが見えてきました
温水タンクの配管を見ると、給水系と温水を出す系統に分かれているのが見えます。下の写真は給水がタンクに入って、タンクで暖められた温水が出て行くようにバルブが設定されています
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このままだと不凍液を流し込む際に、タンク内を満たす必要があるため多量の不凍液が必要になるので無駄を省く為にバイパス処置をします
下の写真はバルブをバイパスさせるように設定した状態です。これで不凍液がタンク内に入らなくて済みます
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手順2:不凍液を車載ポンプを使って配管系に流し込みます
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使用する不凍液はRV用の不凍液です。クルマのラジエータ液のような不凍液(緑色)は有害なので使いません
RVの不凍液は人体に無害なものでピンク色をしています
使用したのはー50F(-46℃)まで凍結膨張しないグレードのものです

この不凍液はー50F(-46℃)グレードですが、-46℃まで凍結しないという意味ではありません。去年使った不凍液もー50Fグレードでしたが気温がー10℃以下になると不凍液は凍結してました。何故?と思って調べたところ、この不凍液はー50F (-46℃)まで凍結後しても”体積が膨張しない”というものです。配管が破損するのは凍結した水が膨張することで発生するので凍結しても膨張しなければ破損しないということです。
トレーラ内の配水管系に不凍液をいきわたらせる為、先ほどインストールしたバイパス回路の透明チューブを不凍液のボトルに差し込んでポンプで不凍液をくみ上げます
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※写真ではボトル1本だけにチューブを差し込んでいますが、実際はボトルは数個必要なのでバケツに不凍液を移し変えて使いました
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ポンプの作動スイッチを入れれば、ポンプが不凍液をくみ上げてくれます
少し時間を置いて(30秒くらい)からキャンピングカー内・外の水周りの蛇口を一つ一つ開けていきます(まず全部の蛇口を閉めておいて一つ一つ順に明けていきます)
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まずキッチンのシンクの冷水側の蛇口だけを開けます
最初は透明な水しか出てきませんが、暫くするとピンク色に変わります
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水の色がピンクになって安定したところで蛇口を閉めます
次にキッチンのシンクの温水側の蛇口を開けて水の色がピンク色になるまで待ちます
ピンク色になったら蛇口を閉めます
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キッチンと同じ手順をシャワー室、バスルームのシンクについても行います
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シャワーヘッドについても同様に行います
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水洗トイレの水もピンクになるまで待ちます
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トレーラの外にあるアウトサイドシャワーも忘れずに行います

手順3:手順2が終われば殆ど終了ですが、最後の仕上げにPトラップに不凍液を少し流し込みます
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こうする事でシンクのPトラップの破損防止になります

これで水周りの冬篭りの準備は出来ました
最後にバイパス回路のT字コネクタに付いているバルブレバーをバイパスモードから通常のFlowモードに戻してストレージのカバーを閉めて終了です。これで春になって使うときにいつもどおりに水が使えます

面倒なステップに見えますが20分もあれば終わりますよ
私のトレーラは不凍液は全部で3ガロン(12リッター)使いました
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Commented by rvjapan at 2016-01-05 11:39 x
一昨年、アメリカンに買い換えて最初の冬に、凍結でキッチンと外部シャワーのカランを破損しました。
以前所有していたヨーロピアンでは、床下のドレインとボイラーからの水抜きだけで10数年凍結による破損はなかったです。

アメリカントレーラーは冬に弱いのでしょうか?

Winterizationって、日本でしっかりとやってる人いないような…。
RV用の不凍液の販売もあまり見かけません。
Commented by rvamerica at 2016-01-05 11:55
アメリカのトレーラが冬に弱いかは分かりませんが、要はRVの断熱構造による違いなのかも知れません。トレーラに限らずA ClassやC ClassでもWinterrizationは半ば常識になっています(凍結しない州は別でしょうけど)自分でやらない人(出来ない人)はディーラでやってもらっているようです。費用は一回$100くらいです
アメリカに限らず凍結地域ではWinterizationは大事ですね。RV用の不凍液はこちらではHard Wareショップで手軽にしかも安価で購入できますよ。今晩の外気温は氷点下12℃です。昨日やっておいて良かったです
Commented by rvjapan at 2016-01-05 22:21 x
アメリカンは排水トラップが付いていて水が残りやすいし、
使用されている配管がヨーロピアンに比べて硬いので水圧(水の膨張)に対して遊びがないかもですね。
より住宅での水道設備に近いということでしょうか。
ならばカランは金属にしてほしいです。

それにしてもペンシルベニアって寒いところなんですね。
氷点下12℃とか氷点下20℃って私の住んでいるところでは無い気温です。
標高の高いスキー場泊でたまに経験するくらいです。

日本でも北海道くらい気温の下がる地域の人はちゃんとWinterizationを行っているのかもしれませんね。
Commented by rvamerica at 2016-01-05 23:14
確かに水が残りやすいというのはあると思います。ドレインバルブを開けても重力だけでは完全に排水しきれませんし、トラップに残る水はも取れません。配管も可動を必要としない部分は住宅と同じ樹脂管が使われていますね。しかもそれが硬い。耐久性は高いですが、伸縮性は無いので凍結には弱そうです。今朝も気温は氷点下12℃でした。この気温だとWinterizationしていなければ一発でアウトでしょう。確かに北海道では確実な凍結対策は必須でしょうね。
Commented by 詳しそうな方なので質問させてください。 at 2021-04-23 22:05 x
水道管に使用されてるホット赤とクール青のサイズなど検索より仕方はどうすればよいのでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
Commented by rvamerica at 2021-04-23 22:36
> 詳しそうな方なので質問させてください。さん
私は全然詳しくないですが、お問い合わせのものは樹脂の青と赤の配管ですね?あれはPEXパイプです。日本では架橋ポリエチレン管と言われているようです。サイズとはパイプの外径の事かと推察します。
架橋ポリエチレン管の呼び径には幾つか種類がありますね。
検索される際のキーワードには、架橋ポリエチレン管、品番の見方、規格、呼び径などのワードを入れると良いと思います。
オンダ製作所のPEX菅品番の見方というページが出てくると思いますが、そこのページが分かり易く解説していました。
https://www.dandorie.com/c10110104/1010403/05_cont_ondakakyo.html
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by rvamerica | 2016-01-03 07:59 | トラベルトレーラ メンテナンス | Trackback | Comments(6)

アメリカ東部在住。37フィートのトラベルトレーラで北米のキャンプ場を巡るキャンピングカー旅行記


by rvamerica